1. HOME
  2. 大会プログラム
  3. 弘前市民会館
  4. メインシンポジウム 津軽からの再生 ー生きつづける近代建築とまちづくりー

メインシンポジウム 津軽からの再生 ー生きつづける近代建築とまちづくりー

弘前は、城下町として江戸後期の建築や明治以降、堀江佐吉や桜庭駒五郎などの棟梁による擬洋風建築・折衷建築、前川建築など沢山の歴史的建築物があり、それを保存活用している数少ない日本の地方都市であります。さらに、現在は、積極的に前川國男のモダニズム建築の保存再生利活用に取り組まれ、また田根剛さん等が古い酒蔵のレンガ倉庫を芸術施設へとリノベーションするプロジェクトなど、新たなまちづくりが進められています。
この弘前をキーワードとし、歴史的建造物の保存の意義、必要性、再生・利活用、リノベーションまちづくり、世界遺産など、グローバルな視点と、日本における視点、さらに地方における視点について2名の基調講演者と6名のパネルディスカッションを通し、地方都市から新たなまちづくりの可能性を発信するシンポジウムとしたいと考えます。

基調講演 I

14:35〜15:35

Archaeology of the Future
2006年から独立し「エストニア国立博物館」「TodorokiHouseinValley」などの代表作と共に、考古学者のように時間を過去に向かって遡り、人類学者のように文明を考察し、多くの時代のなかで忘れ去ってしまったもの、または近代化やグローバル化によって今日の世界から消えてしまったものを掘り起こし、未来に向けて建築をつくる思考の過程を紹介します。そして記憶とは過去のものではなく、記憶は未来をつくる原動力だと考える「ArchaeologyoftheFutur(e未来の記憶)」によって建築の未来を語りかけます。
田根剛
田根剛 氏
建築家。1979年東京生まれ。AtelierTsuyoshiTaneArchitectsを設立、フランス・パリを拠点に活動。2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行している。主な作品に『エストニア国立博物館』(2016年)、『新国立競技場・古墳スタジアム(案)』(2012)、『LIGHTisTIME』(2014年)、『TodorokiHouseinValley』(2018年)、『(仮称)弘前市芸術文化施設』(2017-)など。ATTAofficialwebsite:http://at-ta.fr
基調講演 II

15:40〜16:40

世界遺産と近代建築
世界遺産委員会では、新しい世界遺産の登録審査だけでなく、その後の保全状態についてもモニタリングを行い、遺産保護のあり方について議論を続けています。古い時代の遺跡や建築だけでなく、今ではカバーする領域も近代建築や農業景観に広がり、また地球の環境問題や持続可能な開発目標にどのように協力していくかも課題になっています。世界遺産審査の基本的な事項から最近の課題まで、皆さんの関心が高い近代建築についての考え方を軸にお話させていただきます。
稲葉信子
稲葉信子 氏
[筑波大学世界遺産専攻教授]
専門は日本建築史・文化遺産論。東京理科大学卒業・東京工業大学大学院修了。工学博士。文化庁、国際機関ICCROM、独立行政法人東京文化財研究所を経て2008年から現職。日本が世界遺産条約を批准した1992年から条約の実務及び関係する国際事業に携わってきている。
パネルディスカッション

16:50〜18:15

パネルディスカッション
歴史的建造物の保存・再生を進めてきている歴史都市「弘前」。しかし一方で、ハイカラな街としてもこれまで知られてきました。独学で会得した近代建築の数々を津軽に登場させ続けた棟梁堀江佐吉。そして近代建築の圧倒的存在感を放出する前川國男作品。どちらも、市民に驚きを与え、歴史の中で新しい風を吹かせた革新的な建築物だったはずです。歴史の中に堆積しながら、確実に光を放ってきたのです。過去ではなく未来へのパースペクティブを大事にする弘前での議論は、きっと我々に大きなヒントを与えてくれるはずです。
北原啓司郎
北原啓司【コーディネーター】
[弘前大学大学院地域社会研究科長・教授]
伊勢市生まれ。1985年東北大学大学院博士課程修了後、東北大学工学部建築学科助手。1994年から弘前市に移り、都市と建築とをつなぐ様々なフィールドワークに関与する。都市計画や景観にかかわる自治体の委員長を務める一方で、建築設計コンペやプロポーザルの審査委員長あるいは事務局として公共施設建築にも関わる(青森県立美術館、十和田市現代美術館、八戸市新美術館、弘前市芸術文化施設ほか)。
古谷誠章
古谷誠章【パネリスト】
[建築家・早稲田大学教授]
1955年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。同大学院修士課程修了。早稲田大学助手、近畿大学工学部講師を経て、1994年に早稲田大学助教授に就任。1997年より現職(教授)。1986年から文化庁建築家芸術家在外研究員としてスイスの建築家マリオ・ボッタの事務所に在籍。1994年に八木佐千子と共同してNASCAを設立。第55代日本建築学会会長。「茅野市民館」で2007年日本建築学会賞作品賞、2014年「実践学園中学・高等学校自由学習館」日本建築家協会日本建築大賞受賞など。
橋本功
橋本功【パネリスト】
[(株)前川建築設計事務所 所長]
1945年神奈川県生まれ、1970年日本大学理工学部建築学科卒業後(株)前川國男建築設計事務所入所、1994年(株)前川建築設計事務所取締役、2000年代表取締役に就任、現在に至る。担当した主な作品は、福岡市美術館(1979)、埼玉県立自然史博物館(1981)、国立音楽大学講堂(1983)など。この間、弘前市から熊本県までの、使われている全国の前川建築の保全改修や前川建築に関する様々な活動に精力的に関わり続けている。
志村直愛
志村直愛 【パネリスト】
[東北芸術工科大学 デザイン工学部 建築・環境デザイン学科 教授]
建築史家、都市景観プランナー、散歩師。1962年鎌倉市生まれ。1988年東京藝術大学大学院美術研究科修了、1993年同大学博士後期課程単位取得退学、1988年MANU都市建築研究所研究員、2006年東北芸術工科大学デザイン工学部建築・環境デザイン学科准教授、2012年同大教授、2016年同大大学院デザイン工学専攻長(-2018)。歴史的建造物を活かした街づくり、住民参加などについて、様々な視点から研究と実践の両面から取り組む。故郷鎌倉、横須賀、現住地文京と東奔西走中。
プログラム名

メインシンポジウム 津軽からの再生 ー生きつづける近代建築とまちづくりー

会場

弘前市民会館

地図

場所

大ホール

備考

一般参加可能

タイムテーブルをダウンロード【PDF】

| 弘前市民会館

今後の大会プログラムはございません。